橘ちなつ先生の描く漫画「妊娠したら死にたくなった」。
今回は12話のネタバレを紹介しています!
妊娠したら死にたくなった
妊娠したら死にたくなった 12話 あらすじ
「もう二度と、絶対に精神科病棟に入院したくない」
千夏はその一心で、明るく笑顔で家族たちに接していました。
再び入院するかどうかは、夫の涼太の判断によって委ねられているからです。
その為、千夏はどんなに辛くても、家族の前では、必死で精神を保ち続けていました。
しかし、人は無理をし続ければ崩れてしまうもの…。
やがて、その時を迎えてしまった千夏は、症状が悪化します。
その時、涼太は妻と真正面から向き合うのですが…!?
妊娠したら死にたくなった 12話 ネタバレ
涼太と千夏は、自宅のアパートで苦しみの日々を送っていました。
千夏が唯一すがれるのは「薬」の存在でした。
しかし、どれも効果は現れず、日に日に悪くなるばかり。
次第に千夏は「ごめんなさい!」と頭を何度も打ち付けて謝るようになります。
「こんな出来損ないが子供なんか欲しがったからあああ!」
「私は”母親”になりたかったわけじゃなかった!」
「”母親をしている自分”になりたかっただけなんだ!」
そう言って千夏は、自分を責め、バチが当たったんだと泣き叫びます。
しかし、それでも涼太は「違うだろ!!千夏は真剣に妊娠出産と向き合ってたよ!」と、力強く否定します。
そんな涼太ですが、その顔は疲れ切っていて、やつれていました。
涼太は、千夏と一緒に過ごしてから、睡眠も食事もロクに摂れていないのです。
千夏は、そんな涼太を見て、「かわいそう、何一つ悪いことしていないのに…」と罪悪感を抱きます。
自分のせいで、涼太も苦しんでいる事が、辛かったのです。
そして、千夏は自分に対し、こう言いました。
「いつまで生きているんだ、消してやる!」
そう言った後、今度は涼太に向き直って言いました。
「だから、もうすぐ楽になれるよ。解放されるよ。」
それはつまり、「千夏自身がこの世を去れば、涼太も苦しみから解放される」という事を意味していました。
それを聞いた涼太は、不安と心配にかられ、こう言いました。
「千夏、頼むからこれだけは約束して」
「絶対に変なことだけは考えないで」
「し、死のうとか…絶対に絶対に考えないで!!」
千夏は、何も言わず、何度もうなずくだけですが、そこに意思があるのかは分かりませんでした…。
それでも異変は襲う
それから数日間、千夏の症状は、以前の焦燥感や興奮とは、少し違った種類のものとなっていました。
情緒が不安定となり、錯乱したり、人格がなくなったかと思えば、突然ポジティブになるなど、めまぐるしく変化していったのです。
それを見た涼太も、辛すぎて、何もしてやれない自分が悔しくてたまりませんでした。
千夏も、涼太のそんな気持ちが辛くて、「私の事はもう、大丈夫だから…」と別れを告げようとします。
それでも、涼太は諦めず、何度も何度も励ましていくのです。
そんな尽きる事のない涼太の思いやりに、千夏は言いました。
「…なんで…、そんなに良くしてくれるの?」
涼太は言いました。
「だって俺たちは夫婦だろ!」
その言葉は千夏の心に深く響きました。
しかし、それは同時に、千夏の苦しみをずっと涼太にも味わわせるという事を意味します。
そう思った千夏は、抑えきれない絶望が押し寄せてきてしまって…。
救いとなるのは両親…?
その時、涼太のスマホが鳴り、母からの電話がありました。
どうやら、母が熱を出してしまったそうです。
となると、母に預けている翼の面倒を、涼太が見にいかないといけなくなります。
しかし、千夏の前で翼の話題はまずいと思ったのか、いったん、涼太はベランダに出て、千夏に聞こえないように話をします。
それから、涼太は「後でかけなおす」と言って、とりあえず電話を切り、すぐに千夏の元へと戻りました。
すると、千夏も自分の母と電話をしているようで、なんでも、「両親がうちに来てくれる事になった」「涼太もずっと付きっ切りで疲れているだろうから」との事でした。
それから千夏は「だから、涼ちゃん、たまには外に出て息抜きしてきたらどうかな?」と提案してきました。
それを聞いた涼太は安心して、「じゃあ…ちょっとお願いしてもいいかな…」と、その言葉に甘えることにしました。
それから涼太は、母にかけ直し、明日、翼を引き取って、その後千夏の両親に連絡する段取りを整えていくのでした…。
病院に行かない理由
これで明日は、少しだけ涼太にも休息が取れそうでした。
しかし、なぜ涼太はこの数日間、千夏を病院に連れて行かなかったのでしょうか。
その理由は、千夏に対する、深い思いやりがあったからです。
涼太は、本当は千夏を病院に連れて行きたかったに違いはありません。
でも、そうしなかったのは、千夏が精神病棟に戻る事が本当に嫌がっている事を知っているからです。
だから、涼太は自分たちだけで面倒を見るという決意をしたのでした。
千夏も千夏で、周りに迷惑をかけている事が切なくて、「私が入院した方が絶対に良いに決まっている」と頭では分かってはいました。
それでも、再び閉鎖病棟に戻って、人として扱ってもらえない事が本当に怖く、どうしても心が拒絶してしまうのです。
仮に、また入院したとしても、千夏はもう元通りに治るとは思っていませんでした。
つまり、それは一生精神科病棟で過ごす事を意味しています。
それは絶対に耐えられない事でした。
かといって、このままではずっと涼太や家族たちを苦しめ続けてしまう…。
そんな逃げ場のない千夏は、こう思いました。
「それなら、いっそ…」
唯一の望みは…!?
その時は、涼太がちょうど母に電話をかけ直している時だったので、部屋にはいませんでした。
1人きりになった千夏は、徐々に思いつめていきます。
「ここは、マンションの9階…」
「頭から真っ逆さまに落ちたら、高確率でしねる…。」
そう思った千夏は、ソファの上で、その状況のシミュレーションを始めていきました。
「頭からドスン」
そう思いながら、ソファから落ち、またソファに上る、という動作を繰り返していきます。
この時から、千夏にとって消える事は恐怖ではありませんでした。
むしろ、消えてしまう事が、苦しみから解放される唯一の救いにしか思えなかったのです。
そして、再びソファの上に上がって、頭からドスンと落ちていき…。
~13話に続く!~
妊娠したら死にたくなった 12話の感想
~妊娠したら死にたくなった 12話の感想~
まさに地獄を見ているようで、読んでいてどうすればいいか分からなくなってきました。
もし自分がこんな境遇に立たされたら…。
もし配偶者が精神を病んでしまったら…。
その時でも、前を向いて進んでいけるか、非常に問われるところです。
ただでさえ現実は辛いのに、人生というやつは本当に試練しか与えてきませんね。
それでも乗り越えた先に希望があると信じるしかありません!
次回は13話になりますが、この物語が希望に溢れている事を願います!
妊娠したら死にたくなった⇒ 13話ネタバレ