沖田×華先生の描く、「不浄を拭うひと」。
今回は6話のネタバレを紹介していきます!
今まではちょっとグロ要素もありましたが、今回はまったくなし!
いつもと違ったテイストのお話となっています!
不浄を拭うひと⇒全話ネタバレ・まとめはコチラ!
不浄を拭うひと 6話ネタバレ
~不浄を拭うひと 6話ネタバレ~
特殊素清掃員を務める正人。
そんな正人の元に、今日も1本の依頼の電話がありました。
しかし、今日はいつもと違うところがありました。
普段なら依頼主は現場に立ち会ってくれますが、今回は「仕事で立ち合いに行けない」というのです。
しかも、依頼主は「なので、ちょっと面倒なことになるかもしれません」と、不安そうな一言を言いました。
ただ、正人はそれを聞いても、まったく動じることはありませんでした。
これまで、さまざまな経験をしてきた正人にとっては、多少の面倒ごとなど、なんてことはないと思っていたのです。
しかし、この依頼主の不安は、ある意味で的中してしまうのでした…!
亡くなったのは40代の若手社長
今回亡くなった人は、アパレル会社を経営していた40代の独身男性でした。
社長というだけあって、お金回りはよかったようで、3LDKのマンションに一人で住んでいたようです。
最初に社長の死亡に気付いたのは、彼の部下で、連絡が付かなかったのを心配し、直接部屋を訪ねたそうです。
ところが、その時に、すでに心不全で亡くなっていたため、こうして正人の出番がやってきたというわけです。
幸いな事に、今までのように遺体の発見が遅かったわけではないので、腐敗臭や汚れもまったくありませんでした。
なので、清掃と、遺品整理という比較的軽い業務で済みそうでした。
ところが、管理会社の対応が遅れ、部屋の鍵を持ってきてもらうまでに時間がかかるようでした。
それまで正人は部屋の前で待っていてもらうように指示を受け、それを了承しました。
しかし、部屋の前で待っていると、正人に続いて、何人かの見知らぬ女性がやってきました。
彼女たちは、「社長の知人です」としか答えず、詳しい素性は分かりませんでした。
それを聞いた正人は「(知人が来るなんて聞いていないけど…)」と不思議に思います。
しかも、その「知人」と名乗る女性は合計4人も現れました。
彼女たちはすぐにでも部屋に入りたいようでしたが、正人がカギがない事を伝えると、大人しく待っているのでした…!
いよいよ社長の部屋が開く!
それからしばらくして、ようやく管理会社の人が、鍵を持って現れました。
これで家の中に入ることが出来るのですが、正人は女性たちを向いて言いました。
「あの…エントランスで待っていていただけますか?」
ハッキリ言って、彼女たちは仕事の邪魔になりますし、知人というだけで、ただの部外者である事には変わりがないからです。
しかし、彼女たちは「大丈夫なので気にしないでください」と口をそろえて言います。
いっこうに帰る様子がないので、正人は仕方なく言いました。
「では、一度私が先に入って異常がなければ」
「みなさんもお部屋に入っていただくという事で…」
それを聞いた彼女たちは「わかりました」と了承。
素直な返答を聞いて、正人は「話の分かる人で良かった」と安心し、家の中へと入っていくのですが…!?
女性たちの目的は!?
ところが、次の瞬間!
正人の忠告を破って、女性たちは正人を押しのけて家の中へと、なだれ込んでいったのです!
正人は圧倒され、「いったい何なんですか!?」と声を上げます。
しかも、女性たちは社長が亡くなった寝室に目もくれず、リビングへと向かっていったのです。
正人は不審に思いながら、リビングを見にいきます。
すると、女性たちはタンスやキャビネットの中を、いっせいに漁っていたのです!
そして、バタバタ、ドタドタという騒がしい音を立てながら、金目の物を次々と発見していきます。
それを、各々のバッグの中へと詰め込み、泥棒まがいの事をしているのです。
それを見た正人は「ちょっと!勝手に触らないでください!」と注意しますが、彼女たちは言います。
「大丈夫!!」
「これ形見分けなので!!」
「前からくれるって約束してくれたんです!」
それを聞いた正人は、女性たちの勢いに圧倒され、「形見…わけ…?」と、その場に立ち尽くしてしまいます。
それから依頼主に電話をかけ、「女性達が入ってきて、清掃作業が出来ない」と、連絡を入れます。
すると、依頼主は言いました。
「あ~、やっぱり入ってきちゃいましたか。」
どうやら、この事態をすでに予測していたようです。
さらに続けて言います。
「社長って、プライベートでも羽振りが良くて…」
「毎日、夜は飲み歩きまくってたんです。」
聞けば、どうやらその女性たちは、夜の店で働くホステスという事が分かりました。
しかも、みんな社長が手を出し、家に連れ込んで、遊んでいたそうです。
そこで、社長の死の知らせを聞いたホステスたちは、ここぞとばかりに、遺品を手にしようとやってきたというわけでした。
その姿は非常にあさましく、奪い合いの醜い争いにも発展していきました。
正人はそれを見守る事しかできず、「形見分けには見えないな…」「ハイエナってこんな感じなのかな…」と、思うのでした。
それから、部屋に合った社長の写真を見て、こうも思いました。
「社長のように、結婚や恋人に縛られず、自由に生きて…」
「欲しいものをすべて、手に入れても…」
「こんなにあっけなく亡くなって」
「残したものはみんな他人に流れていく…」
財産と人の欲望
そして、一通りの金品を持って行った彼女たちは、満足したようで、みんな帰っていきました。
しかも、最初よりも部屋中は荒らされ、清掃作業も遅れるなど、迷惑極まりませんでした。
その時、正人はふと、壁にかかった「ポエム」に目をやります。
正人は「あー”みつを”系好きだったんだ…」と思い、それを読んでいきます。
そこには
「いい日もいやな日も寝たら忘れる
ドンマイ ドンマイ」
と書かれていました。
すると、正人の背後から、社長の霊の気配を感じました。
「オレ、ドンマイドンマイ」
「しかし、まいったなー」
「死んだのもビックリだけど、女の変わりようもビックリだわ」
「マジ結婚しなくてよかったわー」
それから「まー、こういう人生もあるでしょ。お互いドンマイドンマイ」と言いながら、ポンと、正人の肩を叩きます。
それは本当に社長の霊だったのか、正人の想像なのかは分かりませんが、そんな「ドンマイ」という言葉に、正人はイライラを鎮めていきました。
それから、
「人の欲の業と人生観が垣間見えた…」
「貴重な一日だったのかもしれない」
と、振り返るのでした…。
~不浄を拭うひと 6話おしまい~
不浄を拭うひと 6話の感想
~不浄を拭うひと6話の感想~
生きる上では、お金は必要です。
でも、たくさんあったからと言って、こうして亡くなってしまえば意味もなくなっちゃうんですよね。
しかも、稼いだとしても、それを狙うひとたちもいるわけです。
悲しんでくれるわけでもなく、お金しか見ていないような人たちも…。
でも、そんなことを考えても仕方がない事ですよね。
「良い事も嫌な事も、寝たら忘れる。ドンマイドンマイ」っていう言葉は、まさにその通りかもしれませんね。