「対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル」1巻のあらすじとネタバレをご紹介します!
対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル あらすじ
「機動旅団八福神」や「バララッシュ」など予想を裏切る展開で読者を魅了してきた福島聡先生による、新作ジュブナイル心霊ミステリー作品です。
和気谷清晴はある日の通学途中に、花と会話する不思議な女の子と出会います。
その出会いをきっかけに、清晴はメルとともに幽霊を専門とした探偵業を始めることになります。
これは知能に優れた小学生男子の和気谷清晴と、霊の声が聞こえる天真爛漫な女の子の白河メルによる世にも不思議な探偵の物語です。
対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル ネタバレ
2022年の春、小学生男子の和気谷清晴は通学途中の道端で一人の女の子と出会いました。
女の子は道端に咲いていた花をちぎりながら、花の声を聞いていると清晴に伝えます。
女の子と手をつなぐことで、なぜか清晴にも花の声が聞こえてきました。
どうやら髪の毛が花の声を聞くセンサーになっていて、手をつなぐと他人にも伝わるしくみだとわかります。
女の子は自分の名前を「シラカワメル」と名乗り、2人は手をつないだまま走り出します。
メルに手をつながれたままの清晴には、カラスやネコの声まではっきりと聞こえてきました。
メルはもっとおもしろいことができると言い、人間の霊とも話せることを清晴に告げます。
メルがブンブンさんと呼ぶ中年男性の見た目をした霊は、1週間ほど前に交通事故で死んだのだと言います。
メルに手を引かれてブンブンさんと話すことを促されますが、清晴はそれを頑なに拒絶します。
清晴は人の霊と話せるメルが変に思えて、自分がそれに巻き込まれてしまうのを嫌ったからでした。
清晴は人の霊と話すことに興味がなかったですし、これから小学校へ行かなければなりませんでした。
メルと距離を取る清晴でしたが、突然ズシリと何かに乗っかられた感覚を覚えます。
人の霊のブンブンさんが清晴の背中に乗ってしまい、メルにはその様子が見えていました。
ブンブンさんの望みは、自分を轢いた轢き逃げ犯を探すことで、犯人探しを清晴に頼んでいたのでした。
実は清晴が背中に重さを感じた経験は今回が初めてではなく、すでに何回か経験しています。
メルに教えてもらったことで、背中に重さを感じるのは人の霊が乗っかったからだとわかりました。
そんな不合理な現象を受け入れられない清晴は、人の霊に乗られることに言い様のない恐怖を感じていました。
不合理で理不尽だと思った清晴ですが、メルから霊は怖い存在ではないと言われ、しぶしぶ轢き逃げ犯探しを引き受けます。
とりあえずメルとは手をつながず、霊が見えなければ怖さを感じず何とかなるのではないかと考えたからでした。
警察が轢き逃げ犯の捜査を進めているものの、まだ逮捕には至っていませんでした。
メルは警察が事故現場に来て捜査しているところを見ていましたが、轢き逃げ犯の逮捕につながるような決定的な証拠はまだ見つかっていません。
清晴はブンブンさんの死体が見つかった時のことについてメルに質問します。
ブンブンさんによると周りから「ギャー」という声が聞こえたと言いますが、それが人の野次馬ではなくカラスの声ではないかと清晴は推理します。
そのカラスが、轢き逃げ犯が乗っていた車の破片を持っていたのではないかと清晴は考えました。
メルとカラスを探すと持っていた物の中に車の部品があり、それを見てブンブンさんは消えてしまいます。
消える前にメルにお礼があると言い遺していて、言われた場所の竹藪には3億円近いお金がありました。
知能に優れた男の子の清晴と、霊の声が聞こえる女の子のメルによる不思議な探偵の物語が幕を開けました。
対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル 感想
1話の導入部分からとてもおもしろいと思いました。
まず、植物や動物や人の霊の声が聞こえる、メルの能力が興味深いですね。
そんな特殊能力があったら、普通の人とは世界が違って見えるのではないかとワクワクしました。
また、イヤイヤながらもメルに協力する清晴も、魅力的な男の子です。
子どもっぽさと的確に推理する聡明さのギャップに惹かれました。
性格が正反対のメルと清晴ですが、だからこそ名コンビになるのではと楽しみながら読める作品です。
無料試し読みはこちら⇒対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル