木村きこり先生の描く漫画「統合失調症日記」。
今回は1話のネタバレを書いていきます!
統合失調症日記とは?
このマンガは、木村きこりさんという女性が、人生を通して、統合失調症と向き合う姿をを描いた漫画です。
彼女は、高校3年生頃から統合失調症の症状に悩まされていました。
幻聴、幻覚などの症状です。
いろいろな苦労があり、精神科を訪れた際に、統合失調症だと診断されます。
投薬を中心に、症状と向き合っていく木村さん。
時には友人に誤解されてしまうこともありますが、自分の症状を伝えることで、うまく付き合っていきます。
投薬だけでは収まらない症状もありますが、ソーシャルワーカーや友人との、何気ない会話で落ち着きを取り戻したりもします。
また、この漫画には「精神科医のスペシャルコラム」と題して、統合失調症の症状などについて詳しく解説されています。
コラムでは「統合失調症」を理解するのにとてもわかりやすく書かれています。
統合失調症日記 1話 ネタバレ
「27歳大学生、私は統合失調症です。」
という自己紹介から始まる第1話。
この漫画は、主人公「木村さん」の統合失調症発病から、精神病院の受診までを描いた内容になっております。
高校3年生、異変が起き始める。
木村さんの症状は、高校3年生の頃から出始めたそうです。
主な症状は、
・聞こえないはずの声が聞こえる(クズ!!ノロマ!!などの人をけなす声)
・見えないはずのものが見える(実際にはいないはずの大きな人間が見えるなど)
でした。
それだけでも辛いのに、「高校3年生」を迎えた彼女には、苦痛が待ち受けていました。
その苦痛とは、みなさんも経験されたであろう「受験」です。
実は木村さんには絵の才能があり、それを生かして、美大受験を考え始めていました。
また、彼女の父親は、「六大学の受験、もしくは美大は美大でも芸大(おそらく東京藝術大学)しか認めない!」という厳格な方でした。
しかし、木村さんは、そのプレッシャーも力に変え、受験勉強していました。
ところが、そんなある日、異変は訪れました。
「(文字が…にじむ?…)」
急に、それまで読めていた文字が、見えにくくなってしまったのです。
そこで、木村さんは目が悪くなったのだと考え、メガネ店に行きますが、どうやら視力に問題はありませんでした。
「(なんでもなかったか。また教科書から復習しよう。)」
そう安堵したのもつかの間、なんと「文字が絵に見える」という症状が現れます。
症状に戸惑いつつも、勉強を進めていく木村さん。
しかし、症状が災いしているのだろうか、成績はドンドンダウンし、焦り始めていました…。
進行する症状、人間関係への影響
「ねえキムキム(木村さんのあだ名)、寄せ書き書いて」
ある日、親しい友達からそう頼まれる木村さん。
「(いつもいろいろありがとう)」と、想いを寄せ書きに書いていく木村さん、
しかし、そんな思いとは裏腹に、考えがまとまらず、結局色紙には訳の分からないものを書いてしまい、友達を怒らせてしまいます。
さらに症状は進み、突然、「頭の中に映像が現れる」なんて言う事も。
それは、例えば魔法陣が現れるというものでした。
「(魔法陣?神様…神様のお告げなの!?)」
木村さんは、頭の中の魔法陣を書き出し、さらに意味不明な行動が頭をよぎります。
その時は、「油絵を頭に乗せながら踊る」という映像が浮かびました。
そして、木村さんはその通りの事を実行してしまうのです。
そんな奇妙な行動をして、高校生最後を過ごしてきた木村さん。
そんな彼女の大学受験の結果は…
「不合格」
しかし、そんな彼女の描いた絵を認めている父親は、芸大への入学をあきらめないよう、木村さんに言いつけます。
そして、木村さんの予備校生活が始まるのです…。
予備校でも続く幻覚症状
しかし、予備校でも、「症状」が彼女を苦しめます。
ある日、木村さんはひょんなことで友人にからかわれます。
それにムカついた木村さんは、まくしたてて言い返します。
ところが、病気の影響からか、うまく言葉が出ず、チグハグなことを言ってしまいます。
そんな症状の改善を見られないまま、それから芸大を受験し続けるも、2年連続失敗し、3浪になってしまいます。
また、そんな風に「人とどこか違う」木村さんは、周りの人からも嫌がらせを受けるようになっていきます。
そこで、ある日彼女は、「自分ばかりがなぜこんな目に合うのか。」と、先生にSOSを出します。
ところが…。
本当は、「なんで私はこんなにいやがらせを受けているのでしょうか。
もう耐えられません。」と言いたかったのに、口から出たのは次の言葉でした。
「私 みんな ひどい キモイ ウザい」
そんな片言のような表現になってしまったのです。
すると、先生も「何をいっているのか分からない。」と理解してくれませんでした。
そんな出来事もあって、ショックを受けた彼女は、予備校に行くこともせず、引きこもるようになってしまいました。
さて、上の文をそのまま読むと、確かに何を言っているのかわかりませんよね?
しかし、彼女はこれが「病気のせいである」、という自覚が一切ありませんでした。
幻聴、幻覚に悩まされる日々、私たちには想像もできないストレスがあったのでしょう。
彼女は毎日のように暴れ始めてしまいます。
時にはストーブをけり倒し、時にはガラスに馬鹿にされるような感覚に陥り、ガラスを破壊してしまいます。
家が壊れるほど暴れ続けた彼女は、ついには居間で泣き続けるような日もありました。
そんな日々が続いていたある日。
いつも通り暴れていた彼女を見て、酔っていた母親からこんなことを言われてしまいます。
「ねえアンタ、これからどうするの?」
「ずっと芸大受けるの?」
「もう3浪もしているのよ。」
酔っぱらった勢いでいろいろと言ったようです。
そんな母親に対して、彼女がとった行動は…。
母親の首を絞め、殺そうとする!!
という、恐るべきものでした。
しかし、間一髪のところで娘の手を放し、難を逃れた母親。
とはいえ、娘に殺されかけたのがショックだったのか、酷いことを言い放ちます。
「もう耐えられない…」
「一度精神科にいって診てもらいなさい!」
そう言われて初めて、「自分が病気なのではないか」と考え始める木村さん。
すると、インターネットで統合失調症という言葉を目にします。
「(声が聞こえる幻聴…統合失調症?)」
「(そんなわけない、私は普通だ。病院に行けばきっと…)」
しかし、そんな彼女の思いとは裏腹に、現実は残酷でした。
その後、病院で、医師に対して自分の症状を事細かに伝える木村さん。
そこで医師からの一言は、次の通りでした。
「統合失調症」
「病気だからね。直そうね。」
その言葉を聞き、不安もありましたが、どこかほっとした木村さん。
果たして彼女は病気に立ち向かっていくことができるのでしょうか…!?
2話に続きます!
統合失調症日記 1話の感想
第1話では、木村さんの実際に体験した症状や感情などが描かれていました。
統合失調症という病気を知るには、とても良い話だったと思います。
日常生活では体験しえないものではありますが、よく考えてみると、中学校などの学年に一人はこのような人がいたのではないのでしょうか。
自分が病気だとわからず、症状に苦しむ様…。
彼女が病気だとわからず、勘違いしてしまう友人たち…。
今後、彼女が病気とどう向き合っていくのか、またどんな苦労が待っているのか。
早く次の話が見たくなるような内容でした。
次回は2話をネタバレしていきます!
統合失調症日記⇒2話ネタバレ